◆堆肥の作り方
堆肥は土づくりの基本です。耕地を活性化させ。健康で味の良い農産物を生み出すのも、堆肥の働きによります。大事な堆肥の作り方ポイントをあげてみます。

 

まず、堆肥の材料は、もとの素材がわかるものを使うことが大切です。汚泥や大規模畜産の糞尿は使いません。私達は次のような材料を使っています。

 

【炭素が多いもの】
おがくず、もみがら、落ち葉、麦わら、稲わら、植木クズ

 

【窒素が多いもの】
鶏糞、アヒルの糞、乳牛・羊の糞、青草、おから、米ぬか、生ごみ、野菜クズ

 

これらの材料を分解する微生物の体の半分は炭素でできています。ところが窒素分はバクテリアが10%、放線菌8.5%、カビは5%と少なめです。微生物を増やし、活発に活動させるには炭素と窒素の割合が大切です。炭素の多いものと窒素の多いものを組み合わせると、よく発酵し、材料の分解も早くなります。

なかでも米ぬかは、漬け物などに使われるように、発酵材としては最適です。材料の大きいものは小さく砕いたり、刻んで、微生物が活動しやすくしてやります。堆肥を作るには、木やコンパネ、古畳で作った枠を使うのが露IJです。積み込みは炭素の多いものと窒素が多いものを交互に積み、踏み込みながら150cmくらい積み込みます。

 

水分50~60%が最適です。水の補給は台所のながし水、風呂の水、家畜の尿、もちろんただの水でもかまいません。水分の目安は、材料を強く握って、指の間から水がにじむ程度です。

 

【切り返し】
外側より中の方が発酵分解がすすみますので、水分を補い芯から外側のものを中の方にとよく混ぜあわせます。これを4回位すれば、完熟します。

 

【病原菌について】
どの様な材料にも病原菌がついていることがあります。材料を積み込んで発酵が始まると60~80℃に温度が上がり、数日間続きます。通常はこの熱によって、どんな病原菌も死んでしまうので、田畑にまいても病原菌をひろめることはありません。たとえば回虫の卵や雑草の種も死んでしまいます。

 

 

【良い唯肥】
完熟したものは、少し黒い飴色をしています。元の材料の形がわからないくらいにぽろぽろになって嫌な匂いはなく、土の匂いや、香ばしい匂いのするものもあります。こうなれば良い堆肥のできあがりです。