◆土づくり

山の自然は秋に枯れ葉を落とし、これを小動物や微生物が分解し、100年ないし200年で1cmの腐葉土を作るといわれています。山の木々は化学肥料や農薬なしに育っています。

 

 有機農業の土作りは、山の自然が長い時間をかけて作っている腐葉土作りを、人間の力で10年ないし20年に早めてやる仕事といえます。

 

 「土から出たものは土にして土に返す」 私たちの先人は落ち葉やワラや草や家畜の糞などをたくみに活かし、堆肥にして田畑に返していました。この堆肥の中には、親指の先くらい(約1g)の中に数千万から1億の微生物がいると言われます。四半世紀ほど前(1970年代)から土壌微生物の研究が進み、微生物の出す、アミノ酸、核酸、ビタミン、ホルモンなどが植物の成長に大切なことがつきとめられました。そして、これらを植物が吸収すると生き生きと成長して、味、香り、色つや、、さらには貯蔵性やビタミンの高い、お米や野菜や果物ができることがわかりました。

 

 ですから土作りを別の言葉で言うなら、土の中に微生物の住む家とエサを与えてやることとも言えます。そうすると、微生物の活動が活発になり、微生物が出す養分や糞、またその死骸で、ふかふかの土、団粒ができます。このような土は雨水を貯え、日照りの時にも水を作物に与え、冷夏でも土の中は暖かく、土の中まで酸素が入り、作物の根毛はいつでも微生物の出す養分を吸収できるから病害虫にも強い作物ができるのです。

 

 土作りは堆肥だけではありません。粗大有機物の供給と根群の多いイネ科や自ら空気中の窒素(N)を根に蓄える豆科の作物(大豆、れんげ等)を輪作や緑肥作物として取り入れ、微生物相を多様化させ、土に活力を与えることも有効です。

 

 近ごろ私たちは、嫌気性微生物が分解した液肥(メタンガス発生装置による分解液)を使って良い成果を上げていることから、これも一つの土作りの方法だと、大切にしたいと考えています。

(金子)